中国江漢平原の低湿地における農耕地の微地形が雑草発生とナタネ収量に及ぼす影響

概要

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低湿地では,地下水位が高いため,田面の高さの変化が圃場土壌水分状況を変化させ,耕地雑草の発生や分布,さらに作物収量にも影響を与える。長江中流域に位置する江漢平原(約6.6万km2)は,中国内陸部の代表的な農業生産地帯であり,地形が低く,水系密度が高く,農耕地の地下水位が高いなどの特徴を持つ。このような低湿地域では,営農形態の確立,圃場排水施設の整備,特に排水管理計画を立てる上で農耕地の微地形による地下水位や土壌水分状況の変化が雑草の発生,作物の成長および収量に及ぼす影響を把握することは非常に重要である。この地域では,水稲-ナタネの輪作栽培制度がよく行われている。雑草の影響によるナタネの減収は,平常年は10%〜20%,最大は50%を超えると指摘されている^<1)>。これまで,農耕地における稚草群落の発生や分布変化を調査した事例はあるが^<2,3)>雑草発生に対する具体的な影響要因を取り出して調査した報告はない。本資料では,江漢平原の低湿地においてナタネ畑を対象に微地形の違いによる発生雑草の種類,発生密度,作物収量などの違いについて調査した結果を報告する。
2003-05-31