干拓地の土質と植生 : 主として八郎潟干拓地について
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概要
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ヘドロを細粒質に富む高含水比の粘性土と定義して, 八郎潟干拓地のヘドロ地盤における植生の土質工学的機能を, ヨシと牧草について述べたもので, 特にそれがヘドロ地盤の蒸散作用および支持力に及ぼす影響に注目したものである。すなわち, ヨシおよび牧草を導入した干拓地内で行なった調査結果によると, 干拓地の植生として最も安定しているのはヨシの群落であり, 連続晴天下では地盤の乾燥に一定の役割を果たすが, 我国のような多雨条件下ではヨシの地上部が地表排水を阻害するため, その乾燥効果および地耐力の増加が疑わしくなること, 一方, 牧草はヨシよりも蒸散作用がさらに活発で, 地耐力の増加作用も良好であることなどが明らかになったとしている。また牧草はその地上部を家畜の飼料に供し得る面でヨシに比べ有利であるとしてる。そこでヘドロ地盤を農用地に造成するとき, いきなり水田としてたん水を行なわず一定期間牧草を栽培して地耐力を増したのち, 水田に移行するような土地利用のパターンを考えれば, 地耐力の面からも好ましい効果が期待できることを指摘している。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1978-06-15
著者
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