火山灰に由来する有機質土の土壌工学的検討
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概要
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わが国には火山灰土が広くタイ積していて, これらの土は有機物(腐植)を多く含むことで特徴づけられている。これまでは主として化学的性質(肥沃性)の面から取り扱われていた火山灰土の内容を, 有機質含有量を一つの軸として, 物理的・工学的性質について統一的に検討したものである。まず, 火山灰に由来する有機質土の物理的・工学的性質を知るために行なった比重, 乾燥密度と現場含水比, 水分保持特性, コンシステンシー, 突固め, 透水, 強度などの試験結果を示し, 有機物含有量や乾燥履歴との関係を説明している。次にこれらの結果に基づいて農地利用上の諸問題について検討を行ない, 1)作物生産上, 通気性, 保水性, 易耕性にすぐれているが耐食性に劣り転圧や散水, 防風林, 排水路などの対策が必要である。2)農地土工に対して, 湿地ブルドーザーを必要とせず運動効率も良好で, 農地土工において生じる体積変化も突固め試験によりある程度可能であるが, 農業土木構造物の材料として用いる場合は強度の期待ができず, また透水抑止の目的のためにも不適当である, などの結論を得ている。
- 1977-06-15
著者
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