イマゾスルフロンによるミズガヤツリの生理的変化およびその変化に対するバリン, イソロイシンおよびロイシンの影響
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概要
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イマゾスルフロンが卓効を示すミズガヤツリを供試植物として用い, イマゾスルフロン処理後の植物の生理的変化およびその変化が3種の分岐鎖アミノ酸, バリン, イソロイシンおよびロイシンの添加によりどのように影響されるか検討した。10ppbのイマゾスルフロンの4時間処理で, [^3H]ウリジンのRNA分画への取り込みおよび[^3H]チミジンのDNA分画への取り込みはそれぞれ無処理の82%および51%となった(Table 1)。一方, [^3H]ロイシンのタンパク質分画への取り込みは阻害されなかった(Table 1)。DNA生合成の減少はイマゾスルフロン処理後1時間以内に始まり, 処理6時間後で処理0時間後の28%になった(Fig. 2)。3ppb以上のイマゾスルフロン処理により抑制されたミズガヤツリの草丈では, 添加された分岐鎖アミノ酸, バリン, イソロイシンおよびロイシンの濃度の高まりとともに回復程度は大きくなった(Fig. 1)。10ppbのイマゾスルフロンにより阻害されたDNA生合成は, 100ppm以上のこれらアミノ酸の添加により, 無処理以上に回復した(Table 2)。また, イマゾスルフロンの24時間の処理により阻害されたDNA生合成は, これらアミノ酸(300ppm)の添加後2時間以内に急激に回復し, 添加6時間後にはほぼ無処理並に回復した(Fig. 3)。100ppbのイマゾスルフロン処理11日後の可溶性タンパク質は無処理の47%に減少した(Fig. 4)。一方, 遊離アミノ酸量は354%に増大した(Fig. 5)。以上より, イマゾスルフロンはミズガヤツリにおいて, バリン, イソロシンおよびロイシンの生合成系を阻害することにより, 短時間の処理ではDNA生合成を阻害し, 長時間の処理ではタンパク質の代謝回転およびアミノ酸の増加を2次的に引き起こすと考えられた。
- 日本雑草学会の論文
- 1999-12-28
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