数年間休耕した畑地の復元過程における植生の変化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
休耕期間中の管理方法を異にする2種類の畑地を復元する目的で、畑地に耕種的または化学的処理を施し、その後出現する植生の種組成および遷移度に注目して3年間にわたり調査した。耕耘や除草剤処理を行わず、放任した場合には、遷移度は増加して1000程度になり、クズとセイタカアワダチソウが優占した。年4回耕振した場合には、遷移度は急減し、メヒシバ、エノコログサなどのイネ科植物を中心とした群落になった。年間に2回除草剤(パラコート)を処理した場合には、復元前の休耕期間中に放任した畑地では遷移度はやや減少し、毎年1回耕耘した畑地では逆に増加したが、いずれの畑地でもクズが優占した。年間に4回程度耕耘すれば、荒廃した畑地を比較的早く復元することができるが、除草剤(パラコート)の処理のみでは復元は困難であると結論された。
- 日本雑草学会の論文
- 1992-12-24
著者
-
小泉 博
農林水産省農業環境技術研究所
-
小泉 博
農業環境技術研究所
-
小泉 博
岐阜大学
-
佐藤 光政
農業環境技術研究所
-
宇佐美 洋三
農林水産省農業環境技術研究所
-
佐藤 光政
農林水産省農業環境技術研究所
-
宇佐美 洋三
農環研
関連論文
- 湛水休耕田における炭素および窒素収支
- 水稲葉身の方位別にみた微気象、光合成、および蒸散速度の日変化の差異
- 葉身の方位別にみた水稲個葉光合成速度および蒸散速度の日変化
- 間欠照射間隔の差異がイネ個葉の光合成および蒸散の効率に及ぼす影響
- 125 水稲葉温の日変化とそれに与える気温および葉面光強度の影響
- 41 水稲個体群における葉面受光量の日変化モデルの構築とその検証
- 58 小型光センサーを用いた群落内光強度分布の測定法の検討
- 52 シロザの形態的可塑性に及ぼす光環境の影響
- 数年間休耕した畑地の復元過程における植生の変化
- ハルジオンのパラコート抵抗性バイオタイプの光合成特性と東北および北海道南部における出現
- 48 ハルジオンのパラコート抵抗性バイオタイプの光合成特性と東北・北海道地方における分布
- 20 荒廃した農耕地の復元過程における植生の変化
- 除草剤に抵抗性を示す雑草のバイオタイプの日本国内における出現 : アンケートによる調査の結果
- 管理方法が異なる休耕畑の植生の二次遷移過程
- 16 除草剤抵抗性雑草の日本国内における分布 : アンケートによる調査結果
- レタス種子を用いた雑草のアレロパシーの検定
- 培地に混和したシロザおよび数種植物葉のアレロパシー
- 茨城県内におけるパラコート抵抗性ハルジオンの分布
- 37 培地にすきこんだシロザ葉のアレロパシー作用
- 16 休耕田の管理法と植生の遷移との関係
- 22 畑地の管理法と植生の遷移との関係
- 96. 雑草の抽出液が作物種子の発芽と幼根の伸長におよぼす影響
- ムクナ(Mucuna pruriens)の栽培跡地における雑草発生状況と他感作用の関与
- 38 ムクナ(Stizolobium deeringianum)の植物体抽出液が、数種の雑草の発芽・生育に及ぼす影響
- 81. 地下茎で繁殖するセイタカアワダチソウ, ヨメナ, ヒルガオの刈取り後の再生
- 66 茨城県県南地方におけるパラコート抵抗性ハルジオンの分布と特性
- 桑葉の枝条に対する着生角度について
- 大気中のCO2変動に対する森林生態系の役割--熱帯林を中心にして (CO2問題と化学工学の役割) -- (地球規模におけるCO2と循環)
- 桑園 : 栽培技術の変遷に伴う雑草群落の変化
- 難草および作物の葉の生理的機能およびクロロフィル含有率におよぼす人工酸性雨の影響