チューブフィーディング法を用いたBabesia bigemina感染Boophilus microplusの作出

概要

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Babesia bigeminaに感染したBoophilus microplusを実験室内で作出するために, ガラスパスツールピーペットを加工したチューブを用いる, いわゆるチューブフィーディング法を試みた.2×10^4および2×10^5/mlのB.bigemina感染赤血球を取込んだ成雌ダニのヘモリンフ中にはスポロキネートが観察され, またPCRによってもB.bigemina特異的DNAフラグメントが検出された.2×10^5/mlの感染赤血球を取込んだ成雌ダニから産出された幼ダニでは, 鏡検およびPCRどちらの方法でもB.bigeminaが検出されたが, 2×10^4/mlの感染赤血球取込み成雌ダニから産出された幼ダニでは, PCRでは検出できるものの, 鏡検では確認できなかった.なお, 2×10^3/mlの感染赤血球またはコントロールとして非感染赤血球を取込んだ成雌ダニおよびその幼ダニからは, 鏡検およびPCRどちらの方法でもB.bigeminaは検出されなかった.これらの結果から, チューブフィーディング法を用いることにより, マダニとバベシアの関係について研究することが容易になると考えられた.また, PCRはマダニサンプル, 特に幼ダニ体内のB.bigeminaの存在を検出するためには顕微鏡を用いた観察よりも優れた方法であることが考えられた.
社団法人日本獣医学会の論文
1998-04-25