ナプロアニリド光学異性体の植物生理活性ならびに光および土壌微生物分解
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概要
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ナプロアニリド光学異性体の植物生理活性におよぼす光学特異性と、環境中における分解の主要因である光および土壌微生物の影響について検討した結果、次のようなことが明らかになった。 1) オーキシン活性の検定のため、Raphanusテスト、トマト葉の上偏生長試験および根の伸長に対する作用試験を行ったところ、いずれの結果においてもナプロアニリドの(+)-体およびラセミ体は高い活性を示したが、(-)-体は活性がみられたかった。(+)-体はラセミ体に比べ約2.1倍のオーキシン活性があった。またナプロアニリドの主要な分解生成物であるNOPのオーキシン活性は、ナプロアニリドと全く同様の傾向で(-)-体は活性がなく、(+)-体およびラセミ体の活性は高く、その程度はナプロアニリドより強かった(Fig.1,2および3)。 2)各種水田雑草の生長に対する作用試験では、薬量20(g a.i./a)においてもナプロアニリドの(-)-体はほとんど活性を示さたかった。(+)-体は高い活性を示し、ラセミ体は中間の活性を示した(Table 1)。 3) ナプロアニリド光学異性体およびラセミ体は、いずれも太陽光によって速やかに分解され、半減期は(+)-体で11.2分、(-)-体で11.2分およびラセミ体で10.8分であり、光学異性体問における光分解の違いはなかった(Table 2)。 4) 殺菌処理した土壌懸濁液中では、ラセミ体のナプロアニリドは分解されたかった。一方非殺菌の土壌懸濁液中では、ナプロアニリドの(+)-体およびラセミ体はほぼ48時間の休止期後に急速に分解され、(-)-体は72時間の休止期後に急速に分解され、明らかに光学異性体に対する土壌微生物による分解が異なった(Fig 4)。
- 日本雑草学会の論文
- 1991-04-08
著者
-
五十嵐 桂一
三井東圧化学(株)精密化学品事業部
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小山田 正美
三井東圧化学(株)農薬研究所
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田中 俊実
三井東圧化学(株)農薬研究所
-
高沢 良夫
三井東圧化学(株)農薬研究所
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小山田 正美
Laboratory Of Soil Science Faculty Of Agriculture Nagoya University
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高沢 良夫
三井東圧化学(株)精密化学品事業部
-
高沢 良夫
三井東圧化学
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田中 俊実
三井東圧化学(株)精密化学品事業部
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小山田 正美
三井東圧化学(株)ライフサイエンス研究所
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