新除草剤G-315およびオルト置換ジフェニルエーテル系除草剤における作用機構の類似性
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概要
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新除草剤G-315の作用機構のオルト位置換ジフェニルエーテル系除草剤のそれとの類似性を,殺草にあたっての光要求性ならびに移植水稲葉鞘(身)褐変現象について,NIPと比較した結果,G-315およびNIPの間で質的な差異をみとめることはできなかった。ただし,G-315の作用力はNIPよりはるかに大きい。両者の化学構造が甚だしく相違しているのに,作用機構が極めて類似しているのは,多くの示唆を与えることといえよう。また,NIPと構造類似の除草剤であっても,オルト位置換のないHE-314(TOPE)等にあっては殺草時の光要求性なく,またイネ葉鞘(身)に褐変を生ずることのないことが再確認された。したがって,G-315は,土壌混和処理でも有効であるというNIPとは異なる特性をもってはいるが,これは吸収・移行などの場での性質の相違であって,作用点における働き方,すなわち作用機構はNIP等の光活性型のオルト位置換ジフェニルエーテル系除草剤のそれと同一であると推定される。クロロフィル変異株の種子を創製・繁殖・恵与された農技研・遺伝3研・河合武博士および同生理2研・雨宮昭博士,ならびに各薬剤を供与された日産化学,保土谷化学,三洋貿易の各社にたいして深謝する。
- 日本雑草学会の論文
- 1970-11-25
著者
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