畑地雑草の生態に関する研究 : 雑草群落の構成種・生活型の季節的消長および冬生雑草の生活環の連続について
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概要
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(1)1962年8月から1964年1月までの間の裸地ほにおける雑草の発生消長調査において,総調査面積45m^2(1区1m^2)内に発生した実穂数は59種で,延出現種数938種,延生存株数31,827本,延重量54,081であった。(2)全調査区に発生した主な種類のうち,Twに属するものではヒメムカシヨモギ・ミミナグサ・スズメノテッポウ・オオイヌフグリなど,Tsではスベリビユ・ケイヌビエ・コゴメガヤツリ・メヒシバ・イヌタデなど,Gではスギナなどであった。特にスベリビユ・スギナ・ケイヌビエの3種で全発生量の半分以上を占めた。(3)夏生雑草の大部分はTsに属し,それらは5月初から発生し,11月中に大体姿を消す。冬生雑草のTwは9月初めより発生し始め,結実期は翌年の5〜7月に及び,7〜8月の高温期にもハコベ・スズメノテッポウなどを除く大部分の種が生存し,その生活環は連続することが認められた。(4)冬生雑草のTwに属する8種を6〜9月には種したところ,ヤエムグラ・ノミノフスマは発芽しなかったが,オオイヌフグリ・スズメノカタビラ・ナズナ・ミミナグサはほぼ発芽・生育し,越夏が可能であった。ハコベは裸地の場合には枯死して生育をまっとうしなかったが,トウモロコシ畦間の日陰条件の場合にはよく生育を続けた。また越夏条件としては、一般的に裸地より日陰畑の方が生育に有利であった。(5)夏期(7〜8月)作物下(主としてトウモロコシ,ダイズ)の雑草群落構成は,Tsに属するものが種数・本数・重量において絶対多数を占め,Twに属するものも若干(種数で17.1%,本数で13.O%,重量で3.9%)認められた。
- 日本雑草学会の論文
- 1964-12-25
著者
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