水稲用選択性除草剤シハロホップブチルの押し出し粒剤化
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概要
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シハロホップブチル, [R-(+)-n-butyl-2-(4-(2-fluoro-4-cyanophenoxy) phenoxy) propionate]はダウ・アグロサイエンスにより開発中の水稲用選択性除草剤である(Fig.1)。本剤は, 茎葉処理において5-6葉期までのイヌビエ等に卓効を示すものの, 現在の日本の稲作の現状を考えると, シハロホップブチルの粒剤の製剤開発が必須である。しかしながら, これまでシハロホップブチルの一般的な押し出し粒剤では, 期待された十分な効果を発揮させることは困難であった。そこで, 押し出し粒剤の粒基剤の界面活性剤及びその粒基剤にシハロホップブチルを含浸させる際に使用する溶剤の組み合わせを変えることにより, 生物効果の向上が図れることが判明した。これらの組み合わせからなる各種シハロホップブチル0.6%押し出し粒剤の生物効果を温室内にて評価した。押し出し粒剤の粒基剤中に3%のマレイン酸ポリマー系界面活性剤を添加することにより, シハロホップブチルのイヌビエに対する効果が増強されることがわかった(Table 2)。また, 溶剤の組み合わせの中では, 9%di-tridecyl phthalateに3%のイソパラフィンを添加したものが最も安定したシハロホップブチルの生物効果を示し(Fig. 3, Table 2, 3), また, シハロホップブチルの水面浮上率の改善に貢献した。これらの結果より, シハロホップブチル押し出し粒剤の粒基剤及びシハロホップブチルの含浸用の溶剤を工夫することにより, 期待されるシハロホップブチルの生物効果を引き出すのが可能であることが判明した。
- 日本雑草学会の論文
- 1998-07-20
著者
-
今井 康史
ダウ・ケミカル日本株式会社
-
近藤 直彦
ダウ・ケミカル日本株式会社ダウ・アグロサイエンス事業部門小郡開発センター
-
松本 哲男
ダウ・ケミカル日本株式会社ダウ・アグロサイエンス事業部門本部
-
松谷 邦
ダウ・ケミカル日本株式会社ダウ・アグロサイエンス事業部門本部
-
片橋 久男
ダウ・ケミカル日本株式会社ダウ・アグロサイエンス事業部門
-
今井 康史
ダウ・ケミカル日本 ダウ・エランコ事業部門
-
松本 哲男
ダウ・ケミカル日本株式会社
-
松本 哲男
ダウ・ケミカル日本
-
近藤 直彦
ダウ・ケミカル日本株式会社
-
松谷 邦
ダウ・ケミカル日本株式会社
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