水稲用選択性除草剤シハロホップブチルの粒剤化
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概要
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シハロホップブチル, 「R-(十)-n-butyl-2-(4-(2-fluoro-4-CyanoPhenoxy)phenoxy)propiomate]はダウ・エランコにより開発中の化合物である(Fig. 1)。この水稲用選択性除草剤は, 茎葉処理にて5-6葉期までのヒメタイヌビエ等に卓効を示す。現在の日本の稲作の状況を考えると, シハロホップブチル粒剤の製剤開発が必須である。しかしながら, シハロホッププチルの一般的な練り込み粒剤では, 期待された十分な生物効果を得ることは出来なかった(Fig. 2)。そこで, シハロホップブチル粒剤の生物効果を向上させる為に, KCIを主成分とする粒基剤に各種の脂肪酸エステルに溶解させたシハロホップブチルを含浸させることからなる各種粒剤を温室内および圃場試験にて評価した。これらの粒剤のヒメタイヌビエに対する効果は, シハロホップブチル練り込み粒剤に比較して著しく増強された(Fig. 3)。また, このシハロホップブチル粒剤は乳剤の水面処理効果と比較しても同等あるいは, それに優る効果を示した。これらの供試粒剤の中では, フタル酸ジトリデシルを含有したものが最も安定した生物効果を示した(Fig. 3)。フタル酸ジトリデシルの役割としては, 水表面での高濃度シハロホップブチル層の形成, シハロホップブチルの加水分解による半減期の延長, シハロホップブチルの植物体内への取り込みの増強等が認められた(Fig. 5, Table , 2)。これらの結果から9フタル酸ジトリデシル有したシハロホップブチル粒剤はシハロホップブチルの生物効果を引き出すのに効果的な方法であると言える。
- 日本雑草学会の論文
- 1996-10-25
著者
-
今井 康史
ダウ・ケミカル日本株式会社
-
近藤 直彦
ダウ・ケミカル日本株式会社ダウ・アグロサイエンス事業部門小郡開発センター
-
松本 哲男
ダウ・ケミカル日本株式会社ダウ・アグロサイエンス事業部門本部
-
松谷 邦
ダウ・ケミカル日本株式会社ダウ・アグロサイエンス事業部門本部
-
片橋 久男
ダウ・ケミカル日本株式会社ダウ・アグロサイエンス事業部門
-
今井 康史
ダウ・ケミカル日本 ダウ・エランコ事業部門
-
松本 哲男
ダウ・ケミカル日本株式会社
-
松本 哲男
ダウ・ケミカル日本
-
近藤 直彦
ダウ・ケミカル日本株式会社
-
松谷 邦
ダウ・ケミカル日本株式会社
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