鼻の'圧'受容器に関して
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概要
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篩骨神経の単一神経活動の記録により, 上気道の圧力変化を感知する鼻受容器の存在を見い出した. 麻酔下の鼻呼吸ラット(15匹)及び気管呼吸ラット(5匹)において, 篩骨神経の求心性活動, 外肋間筋筋電図, 鼻腔内温度及び上気道圧を同時記録した. 鼻呼吸ラットでは呼気終末時に鼻マスクを3呼吸分閉鎖することにより実験的鼻閉塞を作出した. 鼻閉塞時に上気道は3回の吸気努力に伴って平均-1.93〜-2.22kPa(n=22)の陰圧を生じたが, 合計22本の求心性線維がこのような陰圧刺激に応答した. それぞれの吸気努力時におけるインパルス数は平均24〜20(n=22)を示し, インパルスを誘発する閾値は平均-0.73〜-0.96kPa(n=22)であった. 鼻閉塞を吸気終末時に起こした場合には上気道に陽圧が生じたが, 3本の線維のみが陽圧刺激にも応答した. 気管呼吸ラットでは, 上気道に外部から持続圧(陰圧, -0.1〜-3.7kPa; 陽圧, 0.8〜3.0kPa)を与えた. 12本の神経線維が陰圧刺激に応答し, そのうち3本は陽圧刺激にも応答した. 記録した全ての線維は気管閉塞によっては刺激されなかった. これらの成績から, 三叉神経の分枝である篩骨神経中に鼻腔内の圧力変化を感知する'圧'受容器が存在し, それらは大部分'陰圧'受容器であることがわかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1990-04-15
著者
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