ウシとヒト乳汁中の(β1-3)N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼとラクト-N-トリオースII構造をもつオリゴ糖の関係
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概要
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ウシ(ホルスタイン種及びジャージ種)とヒト初乳中のUDP-GlcNAc: Gal(β1-4)Glc(or GlcNAc) (β1-3) N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ活性を調べた.その結果,ウシ初乳中からはこの酵素活性は検出されず,ヒト初乳中に強く認められた.酵素の二価金属イオン要求性,至適pH,受容体特異性やKm値はヒト血清や尿中に見出された酵素のそれとよく一致していた.又,反応生成物をβ-N-アセチルヘキソサミニダーゼで分解するとN-アセチルグルコサミンを遊離した.更に,生成物のメチル化-加水分解,フルオログラフィーによる解析から,その構造がGlcNAc(β1-3)Glc(β1-4)Glcであることが明らかとなった.一方,ウシ血清中にもラクトースを受容体にするN-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼが存在し,その活性はヒト血青中の酵素の6/1-1/4程度であった.以上の結果から,ヒト初乳中に存在する(β1-3)N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼと,ウシ初乳中には検出されないが,ヒト乳汁中には存在するラクト-N-トリオースII (GlcNAc(β1-3)Gal(β1-4)Glc)構造をもつ長鎖のオリゴ糖との間には深い相関があるものと考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1989-02-15
著者
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