ホルスタイン種牛と黒毛利種牛における Theileria sergenti感染に対する抵抗性
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概要
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ホルスタイン種(H種)牛と黒毛和種(JB種)牛での Theileria sergenti感染に対する抵抗性について検討した. 環境調節室内の一定の条件下で, 5-6ヵ月齢の T. sergenti非感染両品種各3頭に対し, 同数の T. sergenti感染フタトゲチマダニ (Haemaphysalis longicornis) の若ダニを同様の手抜により吸血させ, マダニ吸血前より吸血後53日目まで臨床所見および血液所見を観察した. 吸血マダニの総数, マダニの吸血開始時および飽血落下までの期間には両品種間で大きな差はみられなかった. 両品種ともにマダニ吸血後12日目より赤血球内に原虫が確認され, その後寄生率は上昇したが, H種ではJB種に比べ寄生率は常に高い値で推移した. また, 両品種ともに寄生率の上昇に伴い赤血球数, PCVは減少したが, それらの最低値はH種ではJB種を下回った. 以上より, JB種はH種に比べ T.sergenti感染に対する抵抗性が高いことが外的要因の影響を除外した実験室内感染試験により明らかとなった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1995-12-15
著者
-
寺田 裕
農林水産省草地試験場:家畜衛生試験場
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石田 貢
農林水産省草地試験場
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山中 晴道
農林水産省草地試験場
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山中 晴道
農林水産省家畜衛生試験場
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寺田 裕
農林水産省草地試験場:(現)農林水産省家畜衛生試験場
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