高封圧下における岩石の割れ目の形態とその発達過程
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
高封圧下において圧縮力をうけた岩石試料の表面に生じた割れ目の形態をヒズミの進行段階ごとに調べ, その発達過程について研究した。実験に用いた試料は中新統前川層中の硬質砂岩である。封圧下においては, 破壊前には共役な微小割れ目が発達し, その長さは限られているがヒズミの進行に伴い, その数が増加し, echelon状の配列となる。さらにヒズミを進行させると, 発達の止まっていた微小割れ目の先端から割れ目が, σ_1軸に対し以前より大きな角度をなす方向に発達し, それが連なり巨視的なセン断帯を形成し破壊に至る。この微小割れ目は封圧が大きくなるほど, より短かいものが多く発達する傾向がある。また最大主応力軸と微小割れ目およびセン断帯とのなす角度を測定した結果, 両者とも封圧の増大につれて大きくなる傾向をもっているが, 両者の差は封圧の大小によらず一定であり, Mohrの包絡線より求めた破壊角θは, 両者のいずれとも一致しないことが判明した。これらの結果が野外における断層にも, その相似がみられることを指摘した例を挙げている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1977-12-15
著者
関連論文
- 岩石物性におよぼす孔隙水の影響
- 岩石物性におよぼす孔隙水の影響
- 岩石物性からみた小断層の意義について : 構造地質
- 岩石物性におよぼす間隙水の影響について : 構造地質
- 新生代東北本州弧のジオテクトニクス
- 東北日本の大規模左横ずれ断層系と日本の地体構造の成立ち
- 白亜紀・古第三紀における断裂運動と日本海の形成(その2) : 構造地質
- 白亜紀・古第三紀における断裂運動と日本海の形成(その1) : 構造地質
- 高封圧下における岩石の割れ目の形態とその発達過程
- 高封圧下における岩石の割れ目の形態とその発達過程
- 高封圧下における岩石の割目の発生とその形態 : 構造地質