岩石物性におよぼす孔隙水の影響
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概要
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固結のあまり進んでいない岩石を対象にして, 間ゲキ水が岩石物性に及ぼす影響を検討した。実験に用いた試料は鮮新統竜のロ層の凝灰質シルト岩および凝灰質細粒砂岩である。実験では, ヒズミ速度を一定(10^<-4>%/min)にして飽和度・封圧を各々5段階変化させた時の応力〜ヒズミ, 降伏応力, ヒズミ硬化率を調べている。その結果, 飽和度の増加に伴って生ずる物性の変化は不連続的で, 次の3段階に分れる。1)間ゲキ水が岩石粒子の表面を完全に覆い, 基質中のモンモリロナイトなどの粘土鉱物と, 間ゲキ水がある程度結合するまでは圧縮強度, 降伏応力, ヒズミ硬化率は間ゲキ水のために減少する。2)間ゲキ水が岩石粒子間の間ゲキを満たすまでの段階では, 間ゲキ水の増加は, 圧縮強度, 降伏応力, ヒズミ硬化率に対し, あまり重要な影響を与えない。3)飽和度が100%になり, 封圧がある程度大きくなると, 封圧の増加に無関係にほぼ完全塑性体となる。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1977-12-15
著者
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