泥水工法における鉄筋コンクリートの付着力の低下防止法に関する研究(第1報)

概要

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泥水工法によって構築された鉄筋コンクリートでは鉄筋とコンクリートとの付着力が通常の鉄筋コンクリートに比べて低下することが知られている。この主な原因は, 掘削孔内の泥水中に挿入された鉄筋に泥水中の粘土分, 主としてベントナイトが吸着するためであると考えられる。そこで, 鉄筋へのベントナイトの吸着および鉄筋の付着に寄与する泥水の諸因子について検討した。その結果によれば, ベントナイトおよび増粘剤CMCの濃度が増して粘性が高くなるほど吸着量は増加し付着力は減少した。一方, 分散剤添加によって泥水の懸濁分散性が向上すると吸着量は減少し付着力は増加した。また, ベントナイトが鉄筋に吸着する機構を推定し, 電気的な方法によるベントナイトの吸着防止法について検討した。その結果, 鉄筋の電位をおよそ-700mV(S.C.E基準)以下に分極させることによってベントナイトの吸着を完全に防止できることが判明した。なおそのさいの必要電流量は10〜20mA/m^2であった。
社団法人地盤工学会の論文
1975-06-15