乳牛の血液成分値と乳量および給与飼料の関係(臨床病理学)
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概要
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乳牛の代謝プロファイルテスト(MPT)による飼料給与診断の実用性を検討するために,野外343牛群,4,679頭の飼料給与とMPT成績の関係を,変数選択重回帰分析により検討した.独立変数は10項目の血液成分およびボディコンディションスコアの基準値からの偏差率とし,乳量および栄養給与率を従属変数として,乳期別に変数増加法により有意な予測項目を判定した.従属変数の中では,乳量モデルの適合度が最も良好で(R^2=0.214,p<o.ooo1),その偏回帰係数からコレステロール,マグネシウム,尿素窒素およびアルブミンに正の,血糖およびカルシウムに負の関係が認められた.栄養給与率では租たんばく質モデルの適合度が比較的良好で(R^2=0.072, p< 0.0001),血液尿素窒素に正の関係が認められた.その他の栄養給与モデルの適合度は低かったが,各モデルにおいて,いくつかの独立変数が飼料給与の有意な説明項目として採用された.また,飼料給与が安定している泌乳中〜後期および乾乳期の飼料給与モデルの適合度は,乳量変動が大きな泌乳初期よりも高かった.MPT項目の基準値からの偏差率は飼料給与状況や乳量変動を評価することができ,飼料給与診断にMPTを応用することは十分に実用的であると考えられた.
- 2003-06-25
著者
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