乳用牛群における代謝プロファイルテストの分娩および乾乳後10日毎基準値の実用性(臨床病理学)
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概要
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乳用牛群に対して従来から行われている代謝プロファイルテスト(以下MPT)は,血液成分値の生理的変動が大きいため判定が難しい周産期の牛には応用し難い.周産期の牛でも応用可能な診断基準を確立することを目的とし,一般酪農家1,130牛群,29,043頭でのMPTの成績に基づいて,乳期を10日毎に細分して標準値(平均値±1標準偏差)を設定し,その実用性を健康牛群と周産期病多発牛群について検討した.10日毎の標準値は,ボディコンディションスコア,アルブミン,BUN,血糖,総コレステロール,NEFA,GGTおよびASTが乾乳期と泌乳初期で変動し,特に分娩直後ではヘマトクリツト,BUN,総コレステロールおよびマグネシウムの変動が大きかった.また,10日毎の標準値は,周産期病多発牛群において,過肥や低アルブミン,低総コレステロール,低マグネシウムおよび高NEFAなど周産期病多発牛群の問題点を明確に検出できた.以上のことから,MPTの診断基準として,10日毎標準値はMPTを周産期の乳牛にも応用可能にし,牛群の問題だけでなく個体の異常も判定できる点において,実用性に優れているものと判断された.
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