輻射環境下における気温測定装置の試作とその検討 : 照り返しに関する基礎的研究・その 1

概要

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本稿では「照り返し」現象究明のための基礎研究として, 地面近傍における垂直温度分布の測定を目的とした気温測定装置を試作し, その検討を行なった。装置は4-1)〜3)にのべた基礎的検討の結果などを用い試作された。試作装置は測温部(熱電対とその上下遮へい板)とそれを回転させるための回転腕, モータより構成されている。測定の基本原理は, 感温部を遮へい板によって主要な輻射から遮へいし, さらに, 測温部を気温を測定すべき高さの水平面上で回転させ, それぞれの表面の対流熱伝達率を大きくすることによって輻射の影響をとり除こうというものである。6-1)〜4)における検討より, 無風に近く周囲より強い輻射を受けたような測定条件のもとでも, 高精度の気温測定ができることを示した。また, 試作装置と他の測定法による屋外での実測結果を示し, 比較検討を行なった。なお, 今後の問題として, 長期測定に対する装置の耐久性, 耐候性についてさらに検討しなければならないと考える。また一方, 室内で床暖房等輻射を受けた状態の垂直室温分布測定のために, さらに小型化されたものについても検討中である。
社団法人日本建築学会の論文
1976-07-30