単飼育成した離乳子牛を導入した際の育成牛群内における子牛の行動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
カーフタッチで育成した子牛1ないし2頭を2つの育成牛群(A群 : 45〜151日齢、B群 : 82〜126日齢)に導入した際の子牛の行動を観察した。A群には6週齢の子牛5頭を4回、B群には13週齢の子牛3頭を3回に分けて導入した。その際、導入した頭数と同じ数の最高日齢の牛を除外した。両群とも優劣順位は直線的で、同一牛間の順位の変化はなかった。新たに導入された子牛は数分間、運動場の外縁部を走り回った。導入牛がやや落ち着くと、既存牛1ないし数頭と接近(8例中5例は既存牛から、他は導入牛から)するが、すぐに導入牛が逃避した。これを繰り返すうちに、導入牛は他牛の接近から逃避しなくなり、相互に嗅ぎ合うような行動が見られた。最初の嗅ぎ合いの相手は優劣順位が1位の牛が多かった(P<0.05)。嗅ぎ合いを繰り返すうちに既存牛の積極的な干渉がみられなくなった。やがて、導入牛は既存牛の大部分と同一の行動をとるようになり、群に受容されたと判断させた。最初の嗅ぎ合いまでの時間は19.0±17.1分、群に受容されるまでの時間は74.0±47.9分であった。両群間の行動の違いは明らかでなかった。 日本家畜管理研究会誌、25(2) : 54-58.1990. 1990年1月22日受理
- 日本家畜管理学会の論文
- 1990-09-20
著者
関連論文
- 冬期における子牛のカーフハッチ内滞在時間と気象環境
- 夏期間のカーフハッチにおける子牛の行動と気象環境
- カーフハッチの熱的環境 : 冬期間の防風・防寒および夏期間の防暑について
- カーフハッチ(哺育箱)による子牛の育成管理 : I.カーフハッチの環境
- 牛舎・施設および牛舎内環境に関するアンケート調査 : 北海道十勝地方について
- 単飼育成した離乳子牛を導入した際の育成牛群内における子牛の行動
- 育成ハッチにおける群形成
- 寒地の冬季屋外環境が子牛の熱的模型からの放熱に及ぼす影響
- ビートパルプおよび飼料用ビートの給与が飼料摂取量,乳量および乳組成に及ぼす影響
- 異なる品種のとうもろこしサイレージとチモシーサイレージの産乳価値の比較
- 熟期の異なるとうもろこしサイレージと1番および2番刈オーチャードグラス-ラジノクローバサイレージの産乳価値の比較
- 牧草サイレージの摂取量がウシ第一胃内揮発性脂肪酸の産生に及ぼす影響