情報アクセスツール「Knowledge Board」とその開発過程
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概要
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提案した製品"Knowledge Board"は、広い意味で業務上扱う情報を管理し、情報の再利用をする時にユーザーを支援するためのPC上で稼動するツールソフトウェアである。その特徴は、多様で多量な情報を日常的に扱うユーザーが、必要となる情報を少ない労力で効果的に引き出せることである。そのために、入手したり作成した情報についての情報(メタ情報)を使い、多様な視点で情報を探せるようにした。こうした製品を開発するには、ユーザーが日常どのような情報処理を行ない、またその過程においてどのような要求を持っているか把握しなければならない。これまでのハードウェア主体の製品と比較するとソフトウェア主体の製品の場合、何をどのような形にデザインするかの自由度が高い。開発期間や開発能力による制約はあるが、ユーザーが何を望んでいるか、どのように製品・システムを使うかを把握してそれに適合したモノづくりがしやすくなってきたと言える。逆の見方をすれば、そうした何をどのような形にすべきかといった調査をしっかり行い、それに基づいたモノづくりをしなければ優位性を持った製品・システムに成り得ない。本研究開発では、製品開発の初期段階において、ユーザーの要求を製品に活かすために次のようなプロセスを採った。予備的なユーザー調査から始め、仮説の構築、本調査、調査結果に基づいたシミュレーションモデルの作製、シミュレーションモデルを用いたグループインタビューによる検証というプロセスである。検証の結果、ユーザー層に合わせた開発プロセスを経ることが、適切な製品開発の確度を上げることに繋がることを確認できた。なお、本研究開発は筆者が株式会社リコー在職中に行ったものである。
- 日本デザイン学会の論文
- 2000-03-30
著者
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