都市部の後背地にあたる生駒地域の酸性雨調査
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概要
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1993年から1995年にわたって, 大阪市と奈良市の中間に位置する奈良県生駒市の初期降雨(2mmまで)と後続降雨の性質を調べた。pH5.6以下の初期降雨の出現率は約93%であり, 後続降雨については約75%であった。雨水中のCu^<2+>の含有量はpHの低下に伴って増加した。pH4以下の強い酸性雨の場合, Cu<2+>の平均含有量は36.7μg/Lであるが, pH5.6以上の雨水では8.5μg/Lであった。pHと導電率の関係はかなりのバラツキがあるが, pHの低下にともなって導電率は曲線的に増大し, pH4以下の雨水の平均導電率は104.4μS/cmであり, pH5.6以上では24.1μS/cmであった。1995年度における雨水中の主要イオン種の含有mol/L)を測定した結果, 初期降雨中のNa^+, K^+, NH_4^+, Cl^-, NO_3^-の含有量は後続降雨中のそれらよりも2〜3倍多く, またMg^<2+>, Ca<2+>, SO_4^<2->は4.5〜5.0倍であった。雨水の酸性を支配する主要陰イオン種であるNO_3^-とSO_4^<2->のモル濃度の和に対応する水素イオン濃度の指数をpA_i(=-log(〔NO_3^-〕+〔SO_4^<2->]))とすると, pA_iと導電率の対数(logλ)との間に直線関係が認められたが, pHとの間には直線関係が認められなかった。雨水中のNa^+とCl^-の発生源は主として海水中の食塩成分によるものであることを示唆している。また, NH_4^+イオン濃度とSO_4<2->イオン濃度の対応関係についても検討した。
- 社団法人大気環境学会の論文
- 1998-03-10
著者
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