産業地帯と住宅地帯の後背地にあたる吹田地域の酸性雨調査
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概要
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大阪府吹田市の関西大学キャンパス内で, 1993年から1995年にわたって一降雨め全雨氷を採取して降雨の性質を調べた。pH5.6以下の降雨の出現率は約88%であった。雨水中のCu^<2+>の平均含有量は27.0μg/Lで, pHが4以下になると, Cu^<2+>の含有量は急に増加した。導電率の平均値は23.6μS/cmであった。pHと導電率との関係はかなりバラツキがあるが, pHが約5.5よりも低くなると, 導電率は急に大きくなり, またpHが5.5よりも高くなっても, 導電率は大きくなる傾向を示した。1995年度における一降雨を降雨量1mmごとに8mmまで採取して, 主要イオン種であるNa^+, K^+, NH_4^+, Mg^<2+>, Ca^<2+>, Cl^-, NO_3^-, SO_4^<2->の含有量を調べた結果, 平均含有量は初期の雨水(1mm)において最も高く, 降雨量が3mm以降になると徐々に減少するか, またはほぼ一定値に達した。これと同じような傾向が導電率についてもみられた。雨水のpHは, 降雨量が多くなるほど, 低くなるような傾向を示した。pA_i(=-log(〔NO_3^-〕+〔SO_4^<2->〕))と導電率の対数(logλ)との間に直線関係が認められた。雨水中のNa^+とCl^-の発生源は海塩成分のほかに人為的な発生が関与しまたNH_4^+とnss-SO_4^<2->のモル濃度の平均値の比は1.27であり, SO_4^<2->は遊離の硫酸の状態とともに, NH_4^+以外の陽イオンとも硫酸塩をつくって雨水中に取り込まれていることなどが明らかになった。
- 社団法人大気環境学会の論文
- 1999-01-10
著者
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