実在交差点周辺の大気汚染濃度分布に関する風洞実験 : 高架道路の存在影響,幹線道路からの距離による濃度の減衰,フィールド観測値と風洞実験値の比較
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概要
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世田谷区上馬交差点周辺の縮尺模型を使って風洞実験を行った結果,次のことがわかった。幹線道路沿道の局所高濃度汚染は沿道建物の影響を受けるが,その影響が強く現れるのはその建物規模と同程度の距離までであり,それより遠くなると濃度は幹線道路からの距離によって単調に減少する。本事例の場合,幹線道路周辺市街地の濃度は,交差点距離Rを幹線道路幅Wで基準化した距離R/Wが1以下の範囲で急激に減少する。ただし,交差点距離Rは,1/R=1/L_x+1/L_y (L_x,L_y:直交する2本の幹線道路からの最短距離)で定義する。高架道路から排出された大気汚染物質は広い範囲に拡散し,局所的な地上高濃度を生じない。また,高架道路下の沿道では濃度が増加する場所と,低下する場所それぞれがあり,特に高濃度が生じやすい傾向は認められない。上馬自動車排ガス測定局における低風速時の常時観測結果から得られた無次元濃度は,風速が低いほど低い。その原因は自動車排ガスの浮力による鉛直上方への拡散が,場の風速が低いときに増大するためと推測される。水平方向の風向変動の大きさや,トレーサーガスの排出方法が風洞実験の再現精度に強く影響する。
- 社団法人大気環境学会の論文
- 2002-11-10
著者
-
松本 幸雄
国際環境研究協会
-
森川 多津子
(財)石油産業活性化センター
-
松本 幸雄
独立行政法人 国立環境研究所
-
林 誠司
日本自動車研究所
-
上原 清
(独)国立環境研究所
-
森川 多津子
日本自動車研究所
-
上原 清
独立行政法人国立環境研究所
-
若松 伸司
独立行政法人国立環境研究所
-
山尾 幸夫
国立環境研究所
-
吉川 康雄
日産自動車(株)技術システム部
-
若松 伸司
愛媛大 農
-
山尾 幸夫
株式会社フォーラムエンジニアリング
-
若松 伸司
独立行政法人 国立環境研究所
-
吉川 康雄
日産自動車 総合研究所 社会交通研究室
-
吉川 康雄
日産自動車
-
森川 多津子
財団法人 日本自動車研究所 エネルギ・環境研究部
-
森川 多津子
日本自動車研
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