固定発生源排出凝縮粒子の特性についての検討 : 排ガス温度との関係から
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概要
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凝縮粒子の生成機構の解明および標準測定方法の確立に資するため, 重油燃焼排ガス中の凝縮粒子の特性について, 任意に排ガスの温度勾配を設定可能な試験ダクトを用いて検討した。その結果, 高温部で採取したダストの色は黒色で無臭であったのに対し, 低温部で採取した凝縮粒子の色は褐色化して, 刺激性の強い臭いがし, 排ガス温度の違いによる性状に差が認められた。また, 低温部の凝縮粒子の濃度は高温部のダストに比べて約2〜4倍増大し, 凝縮粒子の形態は膜状や1〜10μmの液滴状を呈していた。主な化学成分は元素状炭素Celで, ダストは70%前後, 凝縮粒子は90%前後となり, この差は排ガス温度の低下によるガス状からの相変化に起因することが示された。一方, 水溶性成分はダストも凝縮粒子も大半をSO_4^<2->で占めたが, 両者の全体に対する成分比率には大きな相違は認められなかった。今回の調査で, 凝縮粒子の生成機構の解明において, 排ガス温度とガス状物質の依存性を十分考慮して検討すること, 標準測定方法として, 凝縮粒子を何度で捕集・評価するかを規定するかが重要な要因となること, また幾つかの測定上の問題・注意点などが明らかとなった。
- 2001-07-10
著者
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小暮 信之
産業技術総合研究所
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小暮 信之
資源環境技術総合研究所
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Santos Marilin
Institute Of Technology Research Of Sao Paulo Av. Prof. Almeida Prado
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鋤柄 耕治
(財)日本品質保証機構
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