「良い趣味」論にみる両大戦間期イギリスのポスター芸術の意義 : 英国グラフィックデザインの諸相(2)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
19世紀からポスターの芸術的要素は大衆の趣味向上に役立つことが指摘されてきたが, 両大戦間期イギリスの特徴はこれが実際に教育計画の一端を担ったことである。背景には, モダニズムこそが「良い趣味」, 「良いデサイン」であり, これを解する人が一般大衆の趣味を改善するよう働きかけなければならないとする, 芸術家やエリート層の理想主義的な文化二元論が存在した。当時のポスター芸術のパトロン達も, これと無関係ではなかった。本稿ではまずポスター芸術と趣味論, モダニズム論が当時どのように関連づけられていたかを明らかにし, 次にポスター芸術が児童, 社会を対象に趣味教育の道具として機能した例を具体的に検証する。これを通して, モダンからポストモダンへの過渡期を特徴づけるポスター芸術の存在意義を考察する。
- 日本デザイン学会の論文
- 2000-07-31
著者
関連論文
- ロボットをコミュニケーションメディアとして利用したシステムの複層性に関する考察(リアルタイムコミュニケーション・サイバースペース)
- インタラクティブな展示装置を中心とする鑑賞者の相互行為
- 商品としての住まい : 「理想の住まい」展(Ideal Home Exhibition)にみるイギリスの室内装飾史
- 産業芸術に関する初の政府諮問機関としての英国産業協会(1918-1933)の意義
- 悪趣味展示 : 装飾製品美術館の「恐怖の部屋」
- 「良い趣味」論にみる両大戦間期イギリスのポスター芸術の意義 : 英国グラフィックデザインの諸相(2)
- イギリスの「ポスター芸術」におけるパトロネージの役割 : 英国グラフィックデザインの諸相(1)
- 英国・帝国マーケティング部(1926-1933)によるポスター政策の特性