産業芸術に関する初の政府諮問機関としての英国産業協会(1918-1933)の意義
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概要
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英国産業芸術協会(BIIA)は産業デザインが抱える諸問題に対処するべく設置された政府初の機関である。本稿では, これまで詳しく論じられてこなかったBIIAの諸活動が英国デザイン史のなかでどのような位置付けを与えられるかを考察した。BIIAが企画した展覧会のテーマは、工芸からより量産ベースの産業芸術へと焦点が変化している。1920年代を通してBIIAが産業芸術観を洗練していった背景にはデザイン産業協会との交流もあったが、BIIAがデザインの規格化に着目したこともあげられる。他省庁との連携で電話ボックスや道路標識のデザイン規格化に実際に貢献している。BIIAは1933年に解散したが、その主要メンバーは次の政府機関、芸術産業カウンシルや戦中の芸術支援機関に吸収され、理念が継承されていく。デザインにおける政府介入を考える際、BIIAの活動や規格化への志向は重要である。
- 日本デザイン学会の論文
- 2001-03-31
著者
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