ハエ駆除のための殺虫剤実地散布試験における効果判定法の検討

概要

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1) ハエは, 繁殖能力がきわめて旺盛であり, また移動性の大きい昆虫であるために, ハエの棲息密度を客観的に把握することは, きわめて困難なことである.ここにとりあげたのは, あくまでも, 実地における殺虫剤散布の効果を判定する方法であり, したがつて, 殺虫剤散布前との相対的な比較である.実際的な条件としては, 器具または測定者その他によつて, 結果に変動をもたらすことの少い安定な方法で, しかも簡便な方法であることが望ましい.2) 従来, ハエに対する殺虫剤の実地散布効果を判定するのに用いられる方法は, ハエとり瓶, ハエとりリボン及びハエ格子などがあるが, これらの方法は, それぞれ一長一短があり, 理想的には, 各種の判定法を組み合せ, 多角的に考察することが望ましいことはいうまでもない.しかし, 実用的の立場からは, ハエとりリボン及びハエ格子法が便利であると考える.3) 殺虫剤の実地散布効果を広範囲に行い, これを比較する場合には平均値法をとらねばならない.規定された地域における, その場所だけの比較を行う場合には, 本実験地の棲息数を代表すると推定されるものを選出する方法, 平均値以上の場所を採用するのがよい方法と考えられる.4) ハエとりリボンに付着するイエバエ数は飛翔試験によるとき, 発生量と数的関係のあることが推定できる.
日本衛生動物学会の論文
1962-04-05

ハエ駆除のための殺虫剤実地散布試験における効果判定法の検討

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