日本産恙虫類の飼育による発育史の研究 : 第 1 編飼育法の研究成績
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概要
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これまで恙虫の実験室内飼育法についてはアメリカ, イギリスなどの諸学者の報告があり, 日本でも朝比奈(1952), 伊藤, 小畑ら(1957)の報告もあるが, 筆者は1950年来数回にわたり, 日本産恙虫各種の飼育成績を報告した.こゝには, 恙虫類の飼育法として逐次改良を重ねた末, 現在採用している方法をはじめて詳細に記述した.こゝに述べた方法は, 容器としてプラスチク製品を用い, 濾紙をその間にはさんで湿度を調節した点に従来の方法より好成績をえた改良があり, トビムシ類を同居させたことにより常時若虫や成虫に餌を供給しえたために大量の集団飼育が容易になつた点が指摘される.また, 石膏円錐を用いて未吸着幼虫を長く保存しうること, ハタネズミを未吸着幼虫の宿主として用いて100%近く満腹幼虫を回収しえたことなどにも最近の進歩がみられる.
- 日本衛生動物学会の論文
- 1960-04-05
著者
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