日本産ヤマブユ亜属 (Gnus) の 1 新種について
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概要
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1969年5月と1973年6月に, 長野県木曽開田高原(標高約1,200m)でブユの採集を行い, その西野川でGnus亜属に属する1新種を得た。その記載をここに提示する。雌雄のgenitaliaの形態から, 本種はRubzov(1962)のpavlovskii-groupに入れられ, 同グループに属するS. (G.) corbis(カナダ産), およびS. (G.) rostratum(北欧産)に酷似する。Dr. DaviesおよびMr. Gyorkosから, これら両種の各発育段階の標本の供与を受け, 日本産のものと比較検討の結果, 雌のsensory vesicleと雄のgenitaliaの形態で, この両種から区別されるほか, corbisのように雌の各腿節に黄白色光沢斑がなく, 雌の後第一趺節末端の黒帯は, rostratumのそれの1/2長であること, 幼虫の額斑のaおよびbc斑がrostratumのように消失していないこと, 蛹の背側3対の呼吸系のうち, 中間の1対が無柄である点や, まゆの編み方もcorbis, rostratumのそれと異ること, 等の差異が認められた。本種は可児(1952)がハナカゴモドキブユの仮称を附して, その生態を報告した種に該当するものとみなされるが, ここに本種に対しキソヤマブユという和名を提唱する。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1974-12-15
著者
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