野外における人工光源を用いたユスリカ成虫の走光性に関する研究 : 2. 効率的な電撃殺虫器の設置距離ならびに誘引光源の強さに関する実験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
諏訪湖周辺地域において, 毎年秋に大量飛来するアカムシユスリカ(Tokunagayusurika akamusi)成虫の対策活動の一環として, 成虫の光に対する走性を利用した野外実験を試みた。近紫外光を発する蛍光ランプ(ブラックライト)を付けた電撃殺虫器を10器, 信州大学理学部附属諏訪臨湖実験所構内に設置し, より効果的な防除方法について検討した。その結果, 実験期間中, 1日平均13,006±11,834匹の成虫が捕獲され, トラップあたりの成虫捕獲数は, 点灯するトラップの数が少ないほど, または, 点灯するブラックライトの数を多くするほど, 多く捕獲できる傾向を示した。また, 電撃殺虫器に4本のブラックライトを取り付け, 設置間隔が20∿30mである場合が, 捕獲効率が経済的, かつ効果的であると判断された。これらのことより, 野外において電撃殺虫器による成虫制御の可能性が示唆された。しかしながら, 成虫の飛来量が非常に多い場合には, 電撃格子に虫体が付着し, トラップがうまく作動しないなどの構造上の問題点も指摘され, 今後, 改良の必要性が示唆された。
- 1993-12-15
著者
-
沖野 外輝夫
野村総合研究所
-
沖野 外輝夫
信州大学理学部物質循環学科
-
平林 公男
信州大学繊維学部応用生物学
-
小原 章男
東芝ライテック(株)
-
小原 章男
東芝ライテック
-
平林 公男
信州大学医学部衛生学教室
-
中里 亮治
信州大学理学部附属諏訪臨湖実験所
-
沖野 外輝夫
信州大学理学部
関連論文
- B23 河川中流域の河面を飛翔する水生昆虫類の飛翔行動について(第62回日本衛生動物学会大会特集)
- 木崎湖におけるPhaenopsectra kizakiensis幼虫の浮泳活動について
- 千曲川河畔域植物の窒素利用と地形要因
- 流域のつなぎ手としての物質循環
- 千曲川流域における窒素負荷発生量の変遷
- 諏訪地域の移入生物から考えること
- 創刊号記念特別鼎談「エコロジカル・アプロ-チ」をめぐって (特集「エコロジカル・アプロ-チ」)
- 集水域の生物地球科学 : その意義と展望
- 千曲川における河床付着物の窒素安定同位体比 (陸水学会第66回大会:集水域の生物地球化学 課題講演記録 集水域の生物地球化学:その意義と展望)
- バリ島湖沼調査紀行 (特集 アジアの湖)