エスフェンバレレート : チャバネゴキブリに対する生物活性
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概要
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チャバネゴキブリに対する, フェンバレレート光学異性体の殺虫活性およびノックダウン活性を調べた。[S, S]-isomer(エスフェンバレレート)は, ラセミ体(フェンバレレート)に比較し, 約4倍の殺虫活性およびノックダウン活性を示した。また[R, S]-isomerの殺虫活性はラセミ体の約1/10であったが, ノックダウン活性は認められなかった。[S, R]-および[R, R]-isomerは殺虫活性を示さなかった。さらに電気生理学的実験により, チャバネゴキブリの中枢神経系に対しては[S, S]-isomerのみがその自発性スパイクを抑制した。これらの結果より, [S, S]-isomerのみがフェンバレレートの活性成分であることが示唆された。また[R, S]-isomerの殺虫活性は, [R, S]-isomerのサンプル中に不純物として含まれる[S, S]-isomer, または, チャバネゴキブリ体内で異性化により生じた[S, S]-isomerによるものと推定された。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1990-12-15
著者
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梅田 公利
住友化学工業(株)農業化学品研究所
-
平野 雅親
住友化学工業(株)農薬事業部研究部
-
平野 雅親
住友化学工業(株)宝塚総合研究所
-
矢野 俊彦
住友化学工業株式会社
-
梅田 公利
住友化学
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平野 雅親
住友化学工業株式会社農業化学品研究所
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