後側方到達法にて一期的全摘出を行った頸髄 dumbbell 型神経鞘腫の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
側頸部の腫瘤を主訴とした61歳の女性のC3 dumbbell型神経鞘腫に対し,後側方到達法を用いて一期的に全摘出術を行った.胸鎖乳突筋後縁より進入して脊柱管外の腫瘍を摘出し,椎間孔に達し,さらに後方に進んで同側の部分椎弓切除術を行い,そこから脊柱管内の腫瘍を全摘出した.頸髄dumbbell型腫瘍に対しては従来,前後二期的手術が行われてきた.近年,前方からの一期的手術の報告がみられる.しかし,前方法は椎体や椎間関節の削除が必要であり,骨移植も必要となる.術後に骨癒合が達成されないと不安定性が問題となることがあり,比較的強固な外固定が術後に必要である.これに対し,後側方到達法は同側の部分椎弓切除術により,椎体,椎間関節を切除することなく脊柱管内外の腫瘍を一期的に全摘出することが可能であり,頸椎の支持性に及ぼす影響は少ない.術後の固定も簡単なもので十分であり,腫瘍の進展方向によっては非常に有用な術式と思われる.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1997-08-20
著者
関連論文
- 頸椎症性脊髄症に対する片開き式頸椎管拡大術について
- 塞栓術後神経症状の急性増悪をきたした胸髄血管芽腫の1例
- 後側方到達法にて一期的全摘出を行った頸髄 dumbbell 型神経鞘腫の1例
- 特別講演 病院図書室を評価するもの--医療機能評価を中心に (特集 日本病院ライブラリー協会第1回病院図書室新任担当者研修会および2009年度第2回研修会)
- 硬膜外血腫および骨膜下血腫の皮膜形成 : 慢性硬膜下血腫皮膜とのつながり
- 71. 脳血管攣縮における delayed ischemia に対する脳保護物質 (Nizofenone) の効果:-二重盲検比較試験による検討-
- 24. 脳底動脈収縮におけるCa2+作用機構