脳ドックにおける無症候性未破裂脳動脈瘤の特徴と治療(<特集>Overall outcome よりみた脳動脈瘤治療の問題点[2])
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概要
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1988年3目から開始した脳ドック600例中,36例(6.0%)に37個の無症候性未破裂脳動脈瘤が発見された.初期の370例に施行したIA-DSAと最近の230例に施行したMRAにおける発見率の差はなかった.発見された動脈瘤は,94%が10mm以下で破裂例に比べ前交通動脈瘤が少なく,内頸動脈瘤,特にC2-3,C3部瘤が多いことが判明し,前者に比較し後者が破裂しにくい可能性が示唆された.また,2親等以内にくも膜下出血の家族歴をもつ人では,15.5%という高率(p<0.01)に未破裂脳動脈瘤が発見された.37個のうら33個が手術適応があるとしたが,インフォームド・コンセントの結果,26例26個の動脈瘤に対して根治手術(neck clipping)を施行した.手術死亡率0%,手術罹病率は嗅覚減退の1例(3.8%)のみであった.今後,手術適応のない症例の取扱いなど問題点を克服していくことができれば,有効なくも膜下出血の予防をすることができると思われた.
- 1995-07-20
著者
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端 和夫
札幌医科大学
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端 和夫
札幌医科大学 医学部 脳神経外科
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端 和夫
札幌医科大学医学部脳神経外科
-
中川 俊男
医療法人 新さっぽろ脳神経外科病院 脳神経外科
-
中川 俊男
新さっぽろ脳神経外科病院
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