ハグロソウの学名
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概要
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Rhodophysema elegansは北半球の温帯から寒帯にかけて広く分布することが知られている殻状紅藻である。生活史に2つの型がある可能性と,藻体を構成する細胞層の数と形が種内分類群を分つ程安定した形質であるか否かが問題にされている。本研究は北海道太平洋岸で新たに生育が確認された4つの地方集団について,以上の問題点を明らかにする目的で行われた。栄養細胞と生殖細胞の大きさ,細胞層の数及び生活史型の差異によって明瞭に区別し得る2群が認められた。自然集団の個体と培養個体の形態的変異を比較して得た知見で,2群間の差異は遺伝的であると認められるが,本属の種を分つ形質よりも小さい。原記載が本種を把握するには不充分である現在の段階では,両群を単に種内の2群としてだけ区別しておく。今後,異なる地理的産地の材料の形態的変異が解析されれば,本種の実体はより詳細に明らかになると考える。
- 日本植物分類学会の論文
- 1981-06-15
著者
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