南太平洋フィジー及びバヌアツ共和国産シダ植物の染色体研究I.マツバラン科, ハナヤスリ科, リュウビンタイ科, フサシダ科
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概要
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1991年から1992年にかけて, 文部省国際学術調査「フィジー諸国とその周辺地域における隠花植物の分布と分化, 代表者岩月善之助(当時広島大学理学部教授, 現在服部植物研究所岡崎分室)」の一員として参加し, フィジー及びバヌアツ共和国産のシダ植物を, 現地で固定あるいは生植物を持ち帰り, 染色体研究を行った。本地域のシダ植物の染色体の報告は, コケシノブ科とイヌナンカクラン属を除いてこれまでになかった。本論文は, 研究論文の第1報として5種のシダ植物について報告した。マツバラン科のPsilotum complanatumは, 減数分裂中期で52個の二価染色体を形成し二倍体だった。ハナヤスリ科のOphioglossum petiolatum(コヒロハハナヤスリ)は, 同じく約240個の二価染色体を形成し四倍体だった。本種の四倍体は初めての報告である。リュウビンタイ科のAngiopteris evectaは, 体細胞中期で2n=160で四倍体だった。リュウビンタイ科のMarattia smithiiは2n=78の二倍体, Lygodium reticulatumは2n=60の二倍体であり, この2種の染色体数は初報告である。L.reticulatumについては, 体細胞分裂各期の核形態も記載した。
- 日本植物分類学会の論文
- 1995-01-28
著者
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