日本産ミズニラ属の種生物学的研究.IV. : 胞子体の形態学及び解剖学, 地理的分布, 分類学
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概要
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日本産ミズニラ属(Isoetes)植物のサイトタイプ6種について, 各々の形態学的・解剖学的形質と地理的分布について比較検討し, 分類学的取り扱いを整理した。その結果, 日本産ミズニラ属植物には, 以下の4種1雑種1変種が認められた:I. asiaticaヒメミズニラ(二倍体), I. japonicaミズニラ(六倍体), I. pseudojaponicaミズニラモドキ(新種;八倍体), I.× michinokuanaミチノクミズニラ(新雑種;ミズニラとミズニラモドキの種間雑種で七倍体), I. sinensis var. sinensisシナミズニラ(狭義;四倍体), I. sinensis var. coreanaオオバシナミズニラ(新称新組み合わせ;六倍体)。ミズニラモドキとミチノクミズニラは, 大胞子が網目状模様を, 小胞子が針状突起を持つことで特徴付けられる。ミズニラモドキは, 稔性のある胞子を作り有性生殖するのに対し, ミチノクミズニラは, 不稔性のF_1雑種である。シナミズニラとオオバシナミズニラとは, 葉の断面の形や, 小胞子の大きさ・孔辺細砲長などによって区別される。
- 日本植物分類学会の論文
- 1998-02-28
著者
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渡邊 充
熊本大学理学部生物科学科:(現)熊本県菊地農業改良普及センター
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高宮 正之
熊本大学理学部環境理学科
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高宮 正之
熊本大学理学部
-
小野 莞爾
熊本大学理学部生物科学科
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小野 莞爾
熊本大学理学部生物科学教室
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小野 莞爾
熊本大学理学部
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