種子タンパク質によるシラネアオイの免疫分類学的研究
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概要
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シラネアオイは1属1種の日本固有の植物でこれまでボタン属, Hydrastis, Podophyllum, あるいは, オトギリソウ目の群との類縁が考えられていた。シラネアオイの類縁関係を解明するため, 種子タンパク質を用いた免疫学的な方法により15科54種の比較を行った。SDS-ポリアクリルアミド電気泳動によりシラネアオイを含む44種が種子貯蔵タンパク質11S-グロブリンを含む。電気泳動により分離した11S-グロブリンのS-ポリペプチド鎖をもとに3種類の抗体(シラネアオイ抗体, ヤマオダマキ抗体, ヤマブキソウ抗体)を作製し, ウエスタンブロッテング法により抗体との反応を定量した。シラネアオイ抗体はHydrastisに対しては反応性が低いものの, それ以外のキンポウゲ科の植物やキンポウゲ目(ケシ科を含む)とは比較的高い反応性を示し, 一方, ボタン目やオトギリソウ目植物とは反応性は比較的低い。他の2種類の抗体でも同様な結果がえられ, シラネアオイはボタン属やオトギリソウ目の群よりキンポウゲ目やケシ目の群に近縁であることが推定された。
- 1995-04-28
著者
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- 小山鐵夫, 東禎三, 渋谷千恵, 横山恵子:『黒船が持ち帰った植物たち』B5判, 1996, アボック社出版局, 1500円.
- 戸部 博著, 『植物自然史』, 本文, 188頁, 1994年4月25日発行, 朝倉書店, 2781円.
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