小規模金融機関における技能形成に関する一考察
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概要
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本報告では、小規模金融機関における聞き取りをもとに現場での技能蓄積を中心に論じたい。小規模金融機関ではOJT中心の人材育成が図られており、また大規模金融機関に比ベキャリアの幅が狭く、営業店の業務中心でキャリアが形成されている。そこでは中核的な業務、とりわけ融資業務の能力向上の重要性が認識されていた。さらに事実上融資能力が昇進の条件となっていて、融資能力の向上のインセンティブになっていると思われる。このような技能形成のしくみは小規模金融機関の経営上のスタンスとの関わりが深いと思われるが、従業員数の少ない中で技能を蓄積するとすれば、中核となる業務に集中して人員を投入し、その業務の能力を高めるというのは理にかなっている。加えて中核となる業務の能力向上が昇進に不可欠となっていることが、従業員の主体的な技能形成に寄与していると思われる。
- 2001-06-22
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