発展途上国に対する農業技術移転に関する研究 : 普及制度創設直後のラオス人民民主共和国における農業技術移転の実態と課題
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
農業普及制度創設間もない途上国に関する技術移転の実態と問題点についての報告は少ない.そこで, 制度的な農業普及システム創設間もない途上国において行われている農業技術移転の実態と問題点を明らかにするため, ラオス人民民主共和国に事例を求めた.その結果, 技術を移転する側の実態と問題として, 普及組織機構(含試験研究機関)の未整備, 人的資源の不足, 器具機材不足, 資金不足等が指摘され, 技術を移転される側の実態と問題としては, 受け入れ意欲の欠如, 受け入れのための経済的・知的・技術的受容能力の不足, エスニックの問題等が, また, 移転技術の内容と移転方法及び成果としては, 移転技術の内容としては, 主食(米)に関する増産のための, 廉価で簡単な導入しやすい個別技術が多く, 移転方法については, 個人的・直接的なもので, 視覚に訴えるものが多い, 等の点が判明した.これらの問題点の解決の方法として, わが国普及制度創設当初に実施された巡回講話や講習会の開催, 農産物の品評会や種苗交換会の開催等の有効性が指摘できる.これらの知見は今後わが国からの協力のための参考資料になるものと考えられる.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1992-06-01
著者
関連論文
- 農業開発普及論考 : -開発途上国の農業・農村開発に向けて-
- メコンデルタにおける伝統的農村手工業および農産加工の展開
- 益々増大する学会の使命
- 書評・紹介 Philip Shabecoff著 清水恵・斉藤馨児訳(2003)『地球サミット物語(A New Name for Peace: International Environmentalism, Sustainable Development and Democracy)』
- 嘉田良平・諸岡慶昇・竹谷裕之・福井清一著『開発援助の光と影』(全集 世界の食料世界の農村(11))
- 農業の技術移転に関する研究--拠点方式による技術移転--東京農業大学ラプティ実験指導農場の事例を中心として
- 農業の技術移転に関する研究--北海道における畜力プラウの移転事例を中心として
- 11. ミャンマーにおける農業教育の現状と課題
- 農業技術移転に関する研究 : ヴェトナムにおける農業普及システムの実態と課題
- 中華人民共和国における農業技術移転の現状と課題 : 陜西省鳳翔県の事例を中心として
- 農業の技術移転に関する研究 : キウイ・フルーツ栽培技術のわが国への移転と農業者の対応を中心として
- 発展途上国に対する農業技術移転に関する研究 : 普及制度創設直後のラオス人民民主共和国における農業技術移転の実態と課題
- 開発途上国に対する農業技術移転に関する研究 : 明治維新から第二次世界大戦までの日本について
- 我が国農業教育の現状と課題
- タイ国ナコーン・パトム県における輸出用アスパラガス生産の普及と発展 : キャンペンセン郡トゥン・クワン地区の事例を中心として