5-21 並列伝送制御方式映像信号切換器
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概要
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映像混合増幅器(ビデオスイッチャ)は, 多機能化, 複雑化, 大規模化がますます必要になってきた。そのためには, 従来は, 映像伝送ユニット等を増大し, 効果増幅器および切換増幅器を数段又は, 数台継続接続し効果機能の向上をはかっていた。従って規模が増大すると, それに反比例して伝送特性の劣化という相反することが, 同一のユニット又は機器を使用すると発生する。そのためにはユニット又は機器の特性を局内最大システム(最長伝送路と考えた方が具体的)より, 個々のユニットの特性を極端に向上することが要求された。例えば, 映像分配増幅器に換算して, ユニット一台当りの特性を考えると, 局内最長伝送路でVDA50台に相当するユニットが継続接続されているものとして, NTSC規格, 日本標準規格)を満足するためには, DG, DPを例にとると, STL入力までの演奏所系統分をDG10%, DP5°以内にするためには, VDA1台当り0.2%, 0.1°以下にする必要があった。また効果機能モードを多様化する場合にディゾルブ用の混合増幅器とワイプ用の特殊効果増幅器をスイャ列が別に対応し切換えているが, 位相特性等の伝送特性が異なるために種種の問題があった。そこで唯一のユニットにより下記効果を得る効果増幅器を完成した。(1)MIX (一般の混合)(4)INSERT(切抜きおよびはめ込み)(2)WIPE(ソフト・シャープ)(5)HEM(縁取りスーパー)(3)NAM(混合和常時一定)(6)KEY(クロバキー)システムとして, 継続に効果増幅器を継続し, 多機能化と大規模化をはからずに, 効果増幅ユニット群を並列に接続し操作は従来と同様に行ない伝送特性を向上させた制御伝送方式を開発した。これは全く新しい制御伝送システムであり, 規模が如何に増大しても, 機能, 効果モードが多様化しても, 常にどの場合でも映像伝送路は最短で又同一であるから伝送特性の飛躍が著しい。逆に考えれば, 構成するユニット1台当りの伝送特性は前述の現在要求されて来たVDAのDG0.2%, DP0.1°よりも数倍規格はゆるめられてもよい。これは一例であるが, その分だけ個々の偏差の減少, 安定度の向上, 経済性向上の方向に努力することが容易である。システム全体の安定度も例えば従来は, 効果増幅器が3台継続接続されているシステムで, 1台当りの安定度をPとすると計P^3と低下する。本並列伝送制御方式では1台分のみのPであり, システムが大規模化しても伝送特性の安定度は変化せず, また最良である。これは, DG, DP特性よりも, 絶対位相の管理, 保守に日常の労力を費していた実例の一つに対しても, システムとしての質の向上が明らかである。また, COMPOSITE伝送も容易となり, 将来は, 自動位相回路も内蔵し, 操作上からも, 自動化をはかってワンマンでワンタッチオペレーションにて, プログラム効果順に動作または, 適当に操返し動作できるものにも容易に発振できる。
- 社団法人映像情報メディア学会の論文
- 1970-09-15
著者
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石橋 伸之
東京芝浦電気株式会社
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石橋 伸之
東京芝浦電気(株)小向工場・放送機設計部
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日野 進
東京芝浦電気株式会社スタジオ機器部
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山岸 恒夫
日本放送協会演奏設備部
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上条 久男
日本放送協会演奏設備部
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由宇 英任
日本放送協会演奏設備部
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由宇 英任
日本放送協会
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