自発性瞬目の反応間隔のマルコフ性
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概要
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マルコフ性は, 過去の事象に対する現在の事象の従属度を表す確率過程である.これを統計的測度として自発性瞬目の反応間隔点系列に適用し, 反応の起こり方を規定している要因とその程度とを定量的に解析した.実験には, 垂直眼球電図法を用い, 安静時と心的負荷時の2条件下で, 各々30分間ずつ測定を行った.マルコフ性の次数と値とを, 2つの条件間で比較したところ, 安静時にはマルコフ性が強く, 過去の反応の起こり方に従属して現在の反応が生起する傾向が示された.この現象は, 眼球表面の乾燥や塵埃などの比較的定常性のある物理刺激により瞬目が誘発された状態であると考察された.反対に, 心的負荷時にはマルコフ性が極めて弱く, これは過去の反応と無関係にもっぱら現在の状態により反応が生起している状態であった.この現象は, 過渡的に変化する注意や緊張などの認知機構により, 瞬目が誘発された状態であると考察された.
- 1994-03-20
著者
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