プロテオーム創薬に叶うDDS基盤技術の開発
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概要
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20世紀後半の遺伝子,蛋白質工学や分子細胞生物学の目覚ましい進歩も相まって,疾病治療に有望視された種々生理活性蛋白質が同定され,サイトカインを初めとする蛋白質が難治性疾患に対する"夢の治療薬"として期待された.この流れは昨今のヒトゲノムプロジェクトの完了宣言を受け,さらに加速度を増してきている.すなわちヒトゲノム解読により,約3万種の遺伝子のうち半数は未知蛋白質をコードしており,これらの中には疾病に深く関与する蛋白質,言い換えれば医薬品シーズや創薬ターゲットとなり得る疾患関連蛋白質が多数含まれるものと期待されている.その結果,創薬を指向したポストゲノム研究は,疾患状態における多種多様な蛋白質の時空間的,質量的な発現様式と疾患の発症,増悪,治癒との連関を網羅的に解析しようとする疾患プロテオミクスなどへと集約されつつある.そのため,疾患プロテオミクス情報などを有効活用し,疾病治療に有効な蛋白質を創製しようとするプロテオーム創薬に大きな注目が集まっている.
- 公益社団法人日本薬学会の論文
- 2004-11-01
著者
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