魚類の成長に対するクロレラの効果
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概要
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コイおよびアユを試験魚として市販配合飼料のみによって飼育した場合と配合飼料にクロレラを添加した飼料によって飼育した場合とを比較し次の結果が得られた。(1)コイの場合は市販配合飼料にクロレラを6%および12%添加すると成長を促進し,かつ12%添加の方が6%添加よりもすぐれている傾向がみられた。(2)アユの場合は初期の飼育ではクロレラを添加することは,対照に比べ著しく成長が良好であった。ただし夏期においては飼料にクロレラを10%添加した区と対照区ではその差はほとんどがなかった。(3)コイ,アユとも飼料に6〜12%のクロレラを添加して飼育した魚は体表面が緑色をおび天然の魚に近似した外観を呈した。(4)血液性状の試験結果からは飼料にクロレラを添加した魚の方が,とくにアユの場合において,より健康上好ましい傾向にあった。(5)市販の魚類養殖用配合飼料にクロレラを適当に添加すればコイ,アユの成長,体質改善に効果が期待できる。本研究に際し供試魚につき配慮をいただいた東京都水産試験場,静岡県水産試験場に,また配合飼料を提供された日清製粉株式会社,オリエンタル酵母株式会社,日本配合飼料株式会社に感謝します。後記 著者らのクロレラに関する研究はその後もつづけているが,これらの研究が契機となって昨年「水産増殖クロレラ研究会」がつくられた。本研究会は魚類,貝類などの飼料としてクロレラを使用した場合の成長,健康などにおよぼすクロレラの効果について,大学,水産研究所,県水産試験場の研究者が協力して研究する組織である。本研究会に関する事務は日本クロレラ株式会社が行い,本研究会のメンバーの必要とする試料(クロレラなど)は本研究会が提供することになった。
- 駒沢女子大学の論文
- 1972-12-01
著者
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