異なる食物条件下におけるヒメカメノコテントウの産卵数, 孵化率および産卵期間
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概要
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ヒメカメノコテントウ成虫が餌密度の高低によって産卵数, 孵化率, 卵塊サイズ, 産卵期間に対してどのような影響をうけるかを実験条件下で比較検討し, 次のような結果を得た.(1)ヒメカメノコテントウ成虫の捕食数は幼虫と同様に餌密度の増加にともなった増加がみられる.しかし, 60匹区と比較的高い餌密度下では, 飽食数以下の捕食数の段階で餌の発見確率が低下した結果として餌の食べ残しがみられる.(2)産卵数は餌密度の増加とともに直線的に増加する.また卵塊当りの平均卵粒数も20匹区, 40匹区, 60匹区および100匹区の順に6.7卵, 7.3卵, 7.5卵および9.4卵と餌密度と対応して多くなる傾向がみられる.(3)孵化率は20匹区が42.4%であるが, 他の餌密度区では顕著な差はみられず約50%である.未孵化卵50%のうち約17%は幼虫による卵捕食が原因であると推定された.このように幼虫による卵捕食は高い割合でみられるが, 成虫による捕食は1日という時間単位では少ない.(4)産卵前期間は餌密度が高いほど短縮される傾向がみられるが, 産卵期間は40匹区が最も長く次いで60匹, 100匹区となり20匹区は最も短かい.このことは, 餌密度が高い場合に卵は短期間に多数産まれて早期に完了するが, 餌密度が低い場合には小さい卵塊で産卵期間を延長することによって産卵数の減少をおさえていることを示唆している.
- 日本昆虫学会の論文
- 1981-03-25
著者
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