トルコギキョウ小花の老化は柱頭の受粉面積の影響を受ける
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概要
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トルコギキョウの小花の老化は受粉によって促進され, それにはエチレン生成の急激な増加が関与していることが知られている.本実験では柱頭の受粉面積が花持ちに及ぼす影響についてトルコギキョウ6品種を用いて調査した.開花当日の柱頭が未熟な小花を採取し, ピンセットで葯を除去して除雄を行った.柱頭が開いた日に, 当日開花した同一品種の小花から採取した花粉で受粉を行った.受粉は柱頭の全面に受粉する処理, 1/8の面積に受粉する処理, 未受粉の3処理を行った.受粉によって花の老化は促進され, いずれの品種においても全面受粉は1/8面積受粉に比べて花の老化が促進される傾向が認められた.3品種において全面受粉では1/8面積受粉に比べて, 有意に花弁の萎凋が促進された.次に, 6品種の1つである'あすかの波'を用いて実験を行った.全面受粉では受粉1日後にエチレン生成が急増した.一方, 1/8面積受粉では受粉3日後にエチレン生成が増加し始め, 5日後にピークに達した.多くの花粉管が花柱基部に到達するまでに全面受粉では受粉後2日, 1/8面積受粉では3日かかった.また, 全面受粉では受粉による花弁の萎凋を抑制するのに高濃度のチオ硫酸銀錯塩(STS)が必要になった.これらの結果から, トルコギキョウの受粉による小花の老化促進は柱頭の受粉面積により影響を受け, エチレン生成が関与していると考えられた.
- 園芸学会の論文
- 2006-01-15
著者
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市村 一雄
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所
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湯本 弘子
農業・生物系特定産業技術研究機構花き研究所
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市村 一雄
農業・生物系特定産業技術研究機構花き研究所
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湯本 弘子
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所
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