トルコギキョウ切り花においてスクロース前処理時の相対湿度およびスクロース濃度が葉の障害発生および花持ちに及ぼす影響(収穫後の貯蔵・流通)
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概要
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トルコギキョウ切り花ではスクロースの前処理が花持ち延長に有効であるが,葉への障害発生が認められることがある.障害の発生要因を調査するために,開花小花3個,つぼみ3個に調整した'ミラコーラル'切り花を, DW, 2%および4%スクロース処理液に挿し, 23℃,相対湿度(RH)53%, 71%および86%の暗黒条件下で24時間吸液処理を行った. 53%RH・4%スクロース処理で100%の, 71%RH・4%スクロース処理で50%の切り花で葉に障害の発生がみられた.それ以外の処理では障害の発生はみられなかった.前処理溶液の吸収量は処理時の相対湿度の影響を非常に強く受け,いずれの前処理液においても低湿度ほど処理液の吸収量は増加した.また,スクロース吸収量はいずれの相対湿度条件下においても4%スクロース処理が2%スクロース処理を上回った.花持ち日数は処理時の相対湿度の影響はほとんど受けず,処理時のスクロース濃度の影響を強く受け,スクロース濃度が高いほど花持ちは延長した.以上の結果から,トルコギキョウ切り花において,前処理時のスクロース濃度が高いほど花持ち延長に有効だが,処理時間内に高濃度のスクロース処理液を多量に吸収すると,スクロース吸収量が過剰になり葉に障害が発生すると考えられた.
- 2007-04-15
著者
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湯本 弘子
独立行政法人農業・食料産業技術総合研究機構花き研究所
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市村 一雄
独立行政法人農業・食料産業技術総合研究機構花き研究所
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市村 一雄
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所
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湯本 弘子
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所
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