ミトコンドリアDNAからみたシナギフチョウ(華山亜種)の分子系統的位置の研究
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概要
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ミトコンドリアDNAのND5およびCOIの遺伝子塩基配列分析により, NJ法を用いシナギフチョウ華山亜種の系統を解析した.本亜種はシナギフチョウ原名亜種とは遺伝的に分化したグループであり, COIおよびND5+COIの塩基配列からはよりオナガギフチョウに近縁で, ギフチョウ属の祖先種に近縁である可能性が示唆された.シナギフチョウは秦嶺山脈から長江下流域に分布を拡大する中で, 食性を常緑性のカンアオイ類に転換し, 原名亜種に分化したと推測された.これらの種は人為的な活動による棲息域の減少や, 食草の過度の採取により生息数が著しく減少しており, 早急の保護と保全活動が強く望まれる.
- 日本鱗翅学会の論文
- 2005-09-30
著者
-
宇佐美 真一
Department of Otorhinolaryngology, Shinshu University School of Medicine
-
上田 昇平
Graduate School of Science and Technology, Shinshu University
-
市野 隆雄
Graduate School of Science and Technology, Shinshu University
-
伊藤 建夫
Graduate School of Science and Technology, Shinshu University
-
〓 連喜
College of Life Science, Northwest University
-
〓 連喜
College Of Life Science Northwest University
-
上田 昇平
信州大・理
-
伊藤 建夫
Department Of Biology Faculty Of Science Shinshu University
-
宇佐美 真一
Institute Of Mountain Science Shinshu University
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