224. 簡便・多機能型計測器と QC 用非接触型計測器の比較(機器・材料-9 非接続形測定器)

概要

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(1)ユーザーは自分の操作する装置を常時正しく管理し基準内の精度が保持されていることをたえず認めながら患者にX線を曝射しなければならない。すなわち装置の管理はユーザーに課せられた重要な責務である。今回我々は従来のものより至極操作が簡単な接触型X線測定器、MODEL100(INSPEC社)を使用する機会を得た。また同時に非接触型X線アナライザーNOMEX(TNW社), NERO6000M, NERO6000B(VICTREEN社)と比較測定を行った。使用した測定器間での誤差は管電圧計については、X線装置の管電圧の百分率平均誤差(法的許容差)は±10%以内となっている。従ってこの誤差を検定するための計測器としては、さらにJISにより、装置の許容差の1/3、すなわち±3.3%以下である計測器を使用して測定しなければならない。この点から管電圧測定についてはこれらのX線アナライザーは十分な基本的性能を有している点からユーザーの行う任意の不定期な点検時の測定器としては、接触型測定器を使用する際の高圧ケーブル引き抜き時の安全性の点などを考えると、一人で十分な簡単な非接触型に軍配があがる。次に曝射時間計測についてはNOMEXの測定値が曝射時間が12msec〜280msec間では基準であるMODEL100に一致したが、NERO6000Bについては管電圧70kV一定で時間を変化させると全時間(200msec以下)で基準値の-6%短い曝射時間を計測した。管電圧90kV一定ではNERO6000Bと6000Mの間には曝射時間の測定値に差異は無い。いずれも基準値の-3%短い値であった(2)MODEL100での測定は以前のような高圧ケーブルがなくセットは簡単で、複数の測定者と行うのであれば性能からみて最善の計測器と言える。将来的には各病院施設に、QCのための機器管理責任者(仮称)が任命されれば、これが現在の非接触型に置き変わって行くであろうと思われる。(3)今回の発表の発端は、保守契約がされてない装置の異常を患者撮影時発見したことによる。自動露出制御で撮影を行う場合、管電圧だけしか制御装置に表示されない装置では、異常は感覚でしか分からない。JISにはこれでもよいことになっているが、保守契約をしていない装置の場合は少なくとも半年に一回は定期点検し装置の性能を把握しておくことは我々の責務である。おわりに測定器をお貸し頂いた(株)東洋メディックに深謝致します。
社団法人日本放射線技術学会の論文
1993-08-01

224. 簡便・多機能型計測器と QC 用非接触型計測器の比較(機器・材料-9 非接続形測定器)

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